<2次予選速報>ハリルJがシリアに5-0の圧勝、1位突破で最終予選へ

2018年ロシアW杯のアジア2次予選の最終戦、日本対シリアが29日、ホームの埼玉スタジアムで行われ、日本が、香川真司(ドルトムント)の芸術ボレーなどで5-0の圧勝。すでに2次予選突破は確定していたが、1位通過で、アジア最終予選に向かうことになった。

 12か国よって争われるアジア最終予選は、9月1日からスタート。6か国ずつ2組に分けられ、それぞれ上位2か国(合計4か国)がW杯出場権を得て、3位のチームはプレーオフに回る。4月12日に組み合わせ抽選が行われる。

   

 すでにアジア最終予選出場権を得ている日本だったが、FIFAランキングを維持して、最終予選の組み分け抽選(4月12日)で、強豪国との対戦を避ける有利なポットに入っておくためにも負けることが許されない試合だった。シリアも引き分け以上で、2次予選突破が決まる。日本以上に背負うものが大きい。

 ハリルホジッチ監督は、「決勝戦のつもりで戦う」と言った。

 決して消化試合ではない重要な試合に、アフガニスタン戦では、コンディションを考えてスタメン出場させなかった香川真司(ドルトムント)、山口蛍(ハノーファ)、本田圭佑(ACミラン)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)、GKの西川周作(浦和レッズ)を最初から使ってきた。

 乗りに乗っている岡崎慎司(レスター)もワントップで、スタメン出場。これが日本で史上5人目となる記念すべきAマッチ100試合目の出場。ゲームキャプテンのマークを腕に巻いた。現状のベストメンバーだ。

 日本は、開始早々から強烈なプレスをかけ意思を示す。7分、右サイドのワンツーから崩し、長谷部誠(フランクフルト)がゴール前に飛びしてきて、岡崎にパスを送るが、芯に当たらず惜しくもゴールを外す。

 17分、ラッキーな先制点を奪った。ショートコーナーからのボールをキープしたまま、香川が左サイドからゴール前にスピードのある低いクロスを送る。飛び出たキーパーがパンチングでクリアしたが、そのボールが、シリアのディフェンスの顔に当たって絶好のヘディングシュートに変わるオウンゴール。

 日本はラインを押し上げて高い位置から再三にわたってシリアのゴールを脅かし、決定的なチャンスを作るが、決めきれない。元日本代表FWの城彰二氏が「決定機に決めきることが最大の課題」と、ハリルJの問題点を指摘し続けているが、前半戦に限っては解消しきれていなかった。1-0のまま試合は後編へ。

 日本は、後半もペースを握る。8分、フリーで待ち受ける本田へ絶妙のクロスがつながったが、本田のヘッドは枠をとらえることができない。10分過ぎには、セカンドボールを争う空中戦で、相手選手の頭が顔面に当たった山口が流血して立ち上がれないまま担架で退場。原口元気に交代するアクシデントがあったが、15分には左サイドの森重真人(FC東京)からのクロスに空いたスペースに走りこんできた本田が再びヘディングシュート。これも、ポストに嫌われ重々しい空気が漂い始める。

 だが、20分、香川が美しい個人技で膠着状態にピリオドを打つ。本田の浮かしたボールを香川がゴールに背を向けたまま胸でワントラップすると、振り向きざま左足でボレーシュート。芸術的なシュートがゴールネットに突き刺さり2-0とした。

 日本は37分過ぎから危ないシーンがあったが、必死のディフェンスで守りきり、41分にはカウンター攻撃から香川のクロスに本田が三度目の正直。頭でシュートをコントロールして3点目を叩きこみ、44分には香川が冷静に流し込むゴール、ロスタイムに原口のゴールもあって、終わってみれば5-0のゴールラッシュで勝負を決めた。


試合後、ハリルホジッチ監督は、「よい試合した。スペクタルな試合だ。選手におめでとうと言いたい。最終予選に勝ったことは素晴らしく、このことでチームはさらに強くなる」と笑顔で語り、代表通算100試合となった岡崎にキャプテンマークを渡したことを聞かれ、「岡崎はご褒美をもらう資格があるだろう。最後まで全力を尽くす。大きな力を代表チームに与えている。オカに大きな拍手を送っていただきたい」と、埼玉スタジアムのファンに呼びかけた。

 続けて場内インタビューに呼ばれたのは、香川と本田、吉田麻也の3人。 

 2ゴールをマークした香川は、「ずっとホームでゴールを決めていない。結果として決めることができてよかった。なかなか2点目が入らず、シリアのカウンターも凄かったので、あの2点目が大きかった。結果が重要だった。この勢いを最終予選に持っていけるようにしたい。会場が素晴らしい雰囲気を作ってくれた。これを弾みにキリンカップ、最終予選とがんばっていきたい」と生き生きとした表情で語った。

 続けてインタビューに呼ばれた本田には浮かれた表情は微塵もなかった。

「失点をチームとしてしないこと掲げていた。その意味で満足です。(成長か?課題か?)課題を感じた。というのも、攻めた後のカウンターを何度も繰り返されていた。強い相手には、ここは甘くない。修正していかねばならない。(出場試合に全試合得点?)満足することなく、さらにチームの勝利のためにゴール積み重ねていければいいなと思う。一人ひとりが成長するしかない。もっと貪欲に練習にとりくんでいきたい」

 全試合を完封で2次予選を乗り切った吉田は、この日のゲームで、決定的なピンチを何度か招いたことを反省していた。

「攻めているときのリスクマネージメントをしっかりとしなければいけない。(アジア最終予選で)レベルの高い相手と戦う上で、もっと組織をしっかりしていかなければいけない。予選を通して(ディフェンスは)良かったが、今日は満足していない。最終予選で、もっといいパフォーマンスを出せるようにがんばりたい。後2年でワールドカップがくる。選手の競争が激しくなる。もっと積み上げていかなければならない」


Yahoo!ニュース THE PAGEより


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