浦項戦1-1ドローでGS2位通過決定
3日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第6節で、浦和レッズは本拠地で浦項スティーラーズ(韓国)と対戦した。浦和は相手選手の同士討ちにPKが与えられる世紀の大誤審で先制を許したものの、FWズラタンのゴールで1-1に追いついた。試合後には相手の韓国人DFが埼玉スタジアムのピッチに何度もテーピングを投げ捨てるマナーの悪さをきっかけに、乱闘寸前までエキサイトする一触即発の事態となった。
浦和は試合前の時点で決勝トーナメント進出が確定。同時刻キックオフの広州恒大(中国)対シドニーFC(オーストラリア)の結果次第で、1位通過か2位通過かが決まるゲームだった。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が試合前日の記者会見で示唆していたとおりに、今季加入のスロベニア代表DFブランコ・イリッチをデビューさせるなど、浦和は4月29日のリーグ名古屋戦から8人のスタメンを入れ替えて臨んだ。
ピッチ上を斜めに吹き抜ける強風のコンディションの中、両チームともロングボールのコントロールに苦しむ場面が目立つゲームになった。浦和は丁寧にボールをつなごうとする一方、浦項は5バックを組織してカウンターを狙う展開になった。スコアレスのままハーフタイムを迎えた。
首位のシドニーFCが広州恒大に0-1のビハインドで前半を折り返し、浦和は勝てば首位通過の可能性が高まる中、ペトロヴィッチ監督は後半13分に交代枠の3枚同時使用を決断。DF永田充、DF森脇良太に加え、ACLでの日本人最多ゴール記録を誇るFW興梠慎三を投入。勝ち点3を狙いにいく姿勢を見せた。
サウジ人主審の中東の笛で世紀の誤審で先制点も失う
しかし、その5分後に悪夢が待っていた。 浦項がフリーキックから浦和ゴール前にボールを上げると、両チームの選手がもつれて浦項の選手が倒れた。このシーンで、浦和FWズラタンのファウルとみなされて、浦項にPKが与えられた。実際には、ズラタンと競り合っていたDFパクの背後からDFキムが足を出して、倒れ込んだパクの顔を思い切り蹴り上げていた。完全なる同士討ちだった。蹴り上げる際にはキムはDF森脇を完全に抱え込んでいたが、サウジアラビア人レフェリーのファハド・アルミルダシ氏はホイッスルを鳴らしてPKを宣告した。そして、この世紀の大誤審によるPKを決められて浦和は、0-1と先制を許してしまった。
興梠を起点とした前線でのコンビネーションや、DF森脇とDF橋本和の攻撃参加などで圧力を強めた浦和だが、危険なカウンターを受ける場面も増えた。しかし、GK西川周作のファインセーブもあり1点差のまま試合終盤に入っていった。
決勝T初戦では再び韓国勢のFCソウルと因縁の対決へ
そして、後半41分、浦和がFWズラタンに入れた縦パスはわずかに合わなかったが、ここで浦項DFにハンドがあったとして今度は浦和にPKが与えられた。これをFWズラタンがゴール左に決め、1-1の同点に追いついた。一気にヒートアップしたホームの大声援をバックに攻め続けた浦和だったが、決勝ゴールを奪うことはできずに1-1で試合終了した。
しかし、騒動はこれだけでは終わらなかった。試合終了後に両チームが整列した際に、浦項DFキムがピッチ上にテーピングを投げ捨てたことで、浦和サポーターの大ブーイングを受けた。そのテーピングは味方が拾いに行ったものの、そのテーピングを受け取ったキムは再度ピッチに投げ捨てた。これに浦和の日本代表GK西川周作が激怒。両チームの選手がエキサイトし、一触即発の状態になった。乱闘という最悪の事態には至らなかったものの、日韓対決は後味の悪さが残る幕切れになってしまった。
浦和はグループHを2位で通過。ベスト16では再び韓国勢のFCソウルと対戦することになった。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部
●文 text by Soccer Magazine ZONE webより
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