本田の移籍直訴に対し異なるミラン側の見解 地元紙は「ケイスケが猛省すべき」と指摘

ACミランの日本代表FW本田圭佑の来年1月の移籍直訴報道に関して、アドリアーノ・ガッリアーニCEOとシニシャ・ミハイロビッチ監督の対応が180度異なる点を、地元メディアがクローズアップしている。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が、「ガッリアーニ曰く、ケイスケから移籍したいとは聞いていない。しかし、シニシャは刺す」と特集している。

約1年前の本田は、ミランにおけるキャリアで絶頂期を迎えていた。開幕7試合で6得点2アシストと活躍。だが、その後のリーグ戦で1年以上もゴールを決めることができていない。
 記事では、背番号10とCEOとの短い蜜月の時を振り返っている。
「1年ほど前のこの時期、本田の活躍を祝って乾杯をしていた。ケイスケはリーグ開幕後、6ゴールを決め、ガッリアーニ社長は偶然レストランで会った時、本田にシャンパンのマグナムボトルを捧げた」
 2014年1月にCSKAモスクワから移籍金ゼロで本田を獲得した強化責任者は、レストランでサプライズのプレゼントを贈るほど、背番号10の活躍に目を細めていた。
「出て行けばいい」と指揮官は突き放す
 だが今季は、序盤の12試合で本田が先発したのはわずか4試合。ここ7試合はスタメン落ちの日々が続いている。
 ミハイロビッチ監督はアタランタ戦前日の会見で、移籍志願に出たと報道された本田に対してコメントした。
「ミランにいることは義務ではない。満足していなければ、プロジェクトに納得できず、そして関与していると感じないなら、出て行けばいい。本田のことを言うなら、本田はプレーするチャンスはあったと私は思う。他の多くの選手と同じように、だ。その後、(ミランの)サッカーはこういう形に機能している」
「マラドーナやメッシのように必ずプレーするという選手はいない。みんなが重要な選手で、みんながプロジェクトに関与していると感じる。みんながチャンスを与えられた時には、そのチャンスを生かそうとする。試合にあまり出られないことを、私に怒らないで、自分自身に怒るべき」
 本田にはすでに十分なチャンスを与えた、と指揮官は言い放った。そして、本田を含めたベンチを温める人間には、さらなる精進を求めた。

現状を変えるには、まずは反省が必要
 記事では、「誰に向けて話したかはっきりとはしていなかったが、ケイスケはもし今日も監督が彼を外すようであれば、深く自分自身、反省することが必要ではないか」と指摘。10月4日のナポリ戦後にクラブと指揮官、イタリアメディア、ミランサポーターを、日本のメディアを通じて公然と批判した。その後、チームはシステムを変更し、3勝2分け。本田はここ7試合、アディショナルタイムを除いて合計35分間しか出場機会を与えられておらず、残念ながら結果を出すことができていない。出番のない本田には、まずは反省が必要だとイタリア紙は指摘している。
 最後に記事では、本田の移籍直訴について、獲得に尽力したガッリアーニCEOの「移籍とは聞いたことがない」という言葉を紹介している。記事ではガッリアーニ氏の言葉の真偽については触れず、次のようなフレーズで締め括っている。
「ミランはケイスケを、最低でも今季いっぱいは留めたいと思っている。まもなく、また乾杯する理由ができることを祈って」
 チーム状態が上向きつつある現状を考えれば、今後も指揮官は背番号10をベンチに置くだろう。その処遇に本人が不満を抱いたとしても、ミランは来夏まで、本田をクラブに留める方針のようだ。

Yahoo!ニュース
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE webより


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