本田、最終節は“ゲンのいい”相手?複雑なトップ下事情を抱えるミラン…伊杯決勝への指標に

ミランは現地時間14日、セリエA最終節でローマをホームに迎える。現在7位のミランは、6位でシーズンを終えることができればヨーロッパリーグ出場権を得ることができる。先発出場が予想される本田圭佑にとって、ローマは“ゲンのいい”相手でもある。最終節後にはユベントスとのコッパ・イタリア決勝を控えているが、複雑なトップ下事情を抱えるミランにとってローマ戦は指標となる一戦となりそうだ。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)


本田、最終節も先発へ。トップ下事情は…「複雑」

 セリエA最終節、6位をかけたサッスオーロvsインテルと、ミランvsローマは同時刻開催される。

 ただ、レッジョ・エミリアとミラノで、それぞれ熾烈なゲームが展開されるかどうかはわからない。サッスオーロと対戦するインテルはすでに年間4位が確定。最終節は前泊を実施せず、日中に直接ピネティーナから試合会場まで向かうのだという。

 一方のミランvsローマについてだが、ミランも追うムードではなさそうである。中盤の底は、娘の誕生で慌ただしい一週間を送ったリッカルド・モントリーボではなく、18歳の新鋭マヌエル・ロカテッリを先発させる模様だ。

 トップ下では引き続き本田圭佑が先発する模様。同ポジションを争うジャコモ・ボナベントゥーラは練習に復帰したものの、コッパ・イタリア決勝をにらみローマ戦は温存されるという。

 クリスティアン・ブロッキ監督は13日の記者会見で「最初から使おうが途中出場からであろうが、私が試合の中で(戦力として)計算できる選手の一人だ」と先発かどうかの明言は避けていたが、「彼はいつでも(試合への)準備を整えてくれている。模範的なプロだ」と称賛していた。

 ケビン・プリンス・ボアテンクが練習でトップ下としてテストされたという情報もあったが、先発の起用についてブロッキ監督は直々に否定。

「彼が努力をし、どれだけの意欲があるかだけを見ていれば常に起用されるべきだが、監督としてはそういうわけにもいかないから複雑だ。彼は(前節のボローニャ戦で)10分間良いプレーをしたものの、それがすなわち起用につながるという意味ではない」と語っていた。


自らの立場も安泰ではない指揮官

 本田は前節のボローニャ戦は80分近く出場したが、ゴールに直接絡む仕事はできなかった。果たして、今回はどうか。過去、通算で2アシストを記録したゲンのいい相手。前がかりに来るローマに対し、裏のスペースを活用して本田は攻め込むことが出来ていた。

 現在ブロッキ監督になり、ポゼッション率が高いサッカーを展開している。その状態から、効率の良いカウンターで相手のスペースを突くことができるか。起用位置はトップ下なのか右なのかはわからないが、攻め込んでくるローマの後ろのスペースを上手くつかみたい。

 次期監督としてエンポリのマルコ・ジャンパオロ監督招聘が噂になるなど、ブロッキ監督の立場も決して安泰ではない。

 それに対して同監督は「私はベルルスコーニ名誉会長に気に入られたから監督として選ばれたわけではなく、自分の持つサッカーの構想が評価されたと思っている」と自信を見せた一方、「クラブは明確な考えを持って私を選んだのだと思っているし、その考えが変わることになったとしても嬉しく思うだろう。このクラブには(選手や指導者として所属した)9年間で重要なものをもらったのだから」と語っていた。

 とにかく残り1節。良い内容の試合をして、次のコッパ・イタリア決勝へつなげて欲しいものである。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

フットボールチャンネルより


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